前回、新商品のアイデアを生むまでのプロセスの全体像を説明しました。
今回は、最初のステップである「集めた顧客の声から本質的な問題を分解・抽出する」方法を考えてみたいと思います。
この作業をしっかりすることで、アンケート調査に価値を生まれます。
単なる回答が利益を生む商品アイデアの源泉になるわけです。
では、簡単な例で考えてみます。
例えば、WEB関連のビジネスをしていて、アンケートを取ったとします。
というアンケート回答があったとして考えていきます。
フリースペースで、自由にかけるはずなのに、このような簡潔な回答をもらうことがあります。
通常、このような回答ではあまりにざっくりとしすぎて活用するには難しいです。
(なぜ、フリースペース形式のアンケートなのかについては、「顧客の声・要望・ニーズ」を効果的に集める方法」の記事で説明しています。)
先程紹介した新商品のアイデアを生むまでのプロセスの記事で説明していますが、顧客の声を集める場合、直接聞く際には、「理由や原因」「具体的な説明」を求める必要がありました。
アンケートの場合は、直接理由を聞くことは出来ませんが、仮に「なぜ、Facebookを活用したいと思ったのですか?」といった、回答の背景を聞いたとしたら、
といった回答が返ってくるかもしれません。
つまり、本質的にはFacebokではなく、アクセスアップ、集客が問題であることがわかります。
ですから、SEOが完璧で新しい集客ルートを探しているというよりも、集客の全体計画が出来ていない状態の可能性が考えられます
しかも、SEOも不十分。さらに、ターゲットとするユーザーを間違っているなどもっと深い根本的な問題を抱えているかもしれません。
アクセスがなかなか集まらないので、「Facebook」という新しいキーワードを知って、惹かれているに過ぎないケースも考えられるのです。
こういった仮説を立てながら、考えていくと
「Facebookの効果的活用」という回答の裏には
- 集客全体の計画
- Facebookと既存アクセスの融合で売上アップ
- ソーシャルを活用した集客
- ブランディング
- 簡単にファンサイトを作って、ユーザーとコミュニケーションを図り、声を拾う仕組み作り
- 顧客と長期的なコミュニケーションを図ってLTV(生涯顧客価値:生涯にわたって顧客から得る収益)
- 質の高いアクセスを集めることで成約率を上げたい
という問題や要望があったことが推測できます。
このように一つの回答からでも、色々な問題や希望を推測することが出来るのです。
「なぜ、このような回答を書いたのだろう?」という質問を重ねて、顧客が抱える「問題や要望、願い」の仮説を立てていきます。
集まったアンケート結果に対してこのような仮説を繰り返していき、顧客が抱える問題や要望の候補をたくさん集めていきます。
次の記事では、仮説で洗い出した問題・要望をまとめて、商品コンセプトを決定する4つの基準について説明します。
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連載企画:短期間で売上のアップを図る方法-全12回目次(公開前の記事は閲覧できません)