目次
サイトの権威を上げるには?
質の低いサイトを量産して検索エンジンから集客する手法は今まで以上に難しくなっています。
今後、SEOやウェブサイトでのブランディングを行なっていく上で、WEBサイトのオーソリティ(権威)レベルを上げる事は非常に重要です。
そこで今回は、「オーソリティサイト(権威サイト)」を作る上でのチェックポイントをご紹介します。
前回のコンテンツキュレーションの記事に引き続き、今回もNeil Patel氏の記事を参考にしています。
参考記事:「A Cheat Sheet for Building High Ranking Authority…Without Cheating」
オーソリティとは
海外のSEO関連の文献を読んでいると時々「オーソリティ・サイト」(Authority site)というキーワードを目にすることがあります。
結論から言いますと、
の事を言います。
そのテーマの権威、プロ中のプロとでも言った方がわかりやすいでしょう。
「自分は、さすがに権威になるようなサイトは作れない」と簡単に諦める必要はありません。
ニッチなテーマであれば、努力次第でオーソリティサイト(権威サイト)を持つことも可能です。
また、私は個人的に「オーソリティ」には段階的なランク(0~10などの段階的なレベル)があり、というのは、「オーソリティサイトかそれ以外か」といった「0か1」の世界では無いと考えています。
ですから、誰もが認めるオーソリティサイトではなくても、少しでもオーソリティランクを上げておくことは、SEOにおいて有利になると考えています。
「オーソリティ」に段階的なランクが存在するという考えは、私だけの見解ではなくSEOの世界では一般的な見方だと思っています。
実際に、海外のSEOの権威(オーソリティサイト)であるSEOmozでも、「オーソリティスコア」という独自の指標を定義していることからもわかります。
彼らは、ドメインのオーソリティランクについて、0から100までのスコアリングをしています。
ドメイン全体のオーソリティと個別ページのオーソリティ
ウェブサイトの「オーソリティ」には、「ドメイン全体」に対するものと「個別ページ」に対するものとで、大きく分けて2つのタイプがあります。
ウェブサイトの順位をあげるためには、「ドメイン全体」、「個別ページ」両方の「オーソリティ」を上げることが重要です。
では、どのように「オーソリティランク」を上げればよいかを見てみましょう。
やるべきことは、大きく分けて4つです。
個別ページヘのディープリンクによってオーソリティを作り出す
オーソリティサイトを作ろうとする場合、まず最初にやるべきことは各個別ページのオーソリティランクを上げることです。
ドメイン全体のオーソリティを上げることを考える前に、まずは個別ページに対して特定のキーワードでの最適化を図ることが重要です。
Neil Patel氏が挙げているポイントをチェックしましょう。
- トピック毎に関係性のある内部ページヘリンクする
同じテーマを扱っている関連性の高いページに対してリンクを送ります。例えば、「SEO」について説明しているページから「SEO」について説明している他のページヘのリンクを送ります。「Twitter ツール」についてのページから「Twitter ツール」についての他のページヘリンクをおくります。逆に、「Twitter ツール」についてのページから「SEO」についてのページでは関連性が少し低くなると言えます。
- 特定のページに同テーマの複数ページからリンクを送る
テーマ内の特定のページ(テーマにおいて最も重要視する「勝負ページ」)について、テーマ内の複数のページからリンクを送ります。
勝負ページが得るリンク数の目安として、他のページの4倍以上は必要です。
- 特定のページに他テーマからリンクを送る
勝負ページは特定のテーマ内だけでなく、テーマの異なるページからもリンクを得るようにします。
- キーワードの共食いを避ける
特定テーマの勝負ページで対策を施しているキーワードと同じキーワードを勝負ページ以外のページで使ってしまうと、キーワードの有効性が落ちてしまいます
例えば、1つのテーマ内に20ページ存在していたとしたら、20ページ全てに同じキーワードで対策を施すのではなく、複合キーワードを使ってキーワードのバリエーションを増やすようにします。
- 特定のページに関連するサイトから外部リンクを得る。
パンダアップデートやペンギンアップデートの後であっても、バックリンクは未だに検索エンジンにおいて重要な要素です。ただ、こればかりはサイト管理人がコントールできる問題ではありません。できることは、リンクを張ってもらえるような魅力を高めることです。
- リンク切れやエラーページを修正する
サイト内でリンク切れはSEO上良くありません。検索エンジン側にも悪い評価を与えますので、リンク切れを見つけて、リンク・ページを修正する必要があります。
ビデオによってオーソリティを創りだす。
先ほど説明した個別ページに対するリンク最適化プロセスにおいて、内部リンクは自身でコントロールできますが、バックリンクはなかなかコントロール出来ないものです。
バックリンクもオーソリティサイトを作る上で重要なものですので、バックリンクを得られるように魅力的なコンテンツを作ることはオーソリティサイトを作り上げる上で重要な戦略的テーマになります。
バックリンクを得る上での一つのポイントとして、Neil Patel氏は、「ビデオコンテンツ」についても言及しています。
ビデオをコンテツに加えることで、バックリンクを増やす可能性を高めることができます。
ここでは、良いビデオを作る上でのヒントをご紹介します。
ステップ1「調査」
まずは、どのようなビデオがすでに存在しているのかを調査することから始めましょう。
- 似たようなものが既に沢山ある内容のビデオを作るよりも、ニーズがあるのにビデオとして存在していないトピックーマのビデオを作った方が効率的です。
- 人々がGoogleで検索しているトピックを探します。彼らが知りたいと思っている内容を提供しているコンテンツは既にあるかどうか?、検索ボリュームは十分あるか?
- あなたが作ろうとしているトピックのビデオがすでに存在している場合は、そのトピックを広げたり深掘りできるかどうか?を考慮します。例えば、「バックリンクを得る方法」についてのビデオがすでに存在している場合は、「30日以内にオーソリティサイトから30本のリンクを得る方法」といった感じでトピックを深掘りすることができます。
ステップ2「専門家を使う」
特定の業界に20年以上携わっていれば、間違いなくあなたはその業界の専門家です。
しかし、その業界に入ってまだ日が浅い場合は、できるだけ多くの専門家に相談するようにして下さい。
仮に、その業界で5年間ほど働いている場合であっても、専門家の1人、2人にインタビューすることは損にはなりません。むしろ、あなたのビデオはより信頼できるように見えるようになります。
ステップ3「台本を作る」
ビデオを即興で作らないようにすべきです。
まずは、あなたの考えをまとめて、台本・下書きを作るべきです。
しっかりと台本を作っておくと、あなたのビデオは「分かりやすく、簡潔で、説得力のある」内容を維持しやすくなります。
Patel氏は、「ステップ-バイ-ステップ式」の台本を進めています。
ステップ-バイ-ステップ式とは
『まずは、ステップ1です。ステップ1は~です。それではステップ2に進みましょう。』といった感じの方法で説明するものです。
重要なのは、ビデオなので、長ったらしく内容を説明するよりも、ステップを示すほうが有効だということです。
ステップ4「ビデオを編集しテストする」
Patel氏は、ビデオの撮影(録画)、編集は専門家に任せることを勧めています。
予算がない場合は、スクリーンキャプチャ動画など低予算で作れるビデオを自分で作ると良いですね。
スクリーンキャプチャ動画ではなく、実際にホワイトボードなどでレクチャーしているビデオを作る場合は、照明やマイクに注意して撮影するようにします。
編集が完了したら、テストを実施します。
完成したビデオを他の人に見てもらい、ビデオを見て他の人がビデオでレクチャーしている内容を実行できるかチェックします。
ハウツーモノの良いビデオとは、「ユーザーがビデオを見てタスクを完了できるもの」です。
ステップ5「最適化し、共有をすすめる」
ビデオが完成したら、Youtubeやあなたのブログ・ウェブサイトにアップロードします。
メールやTwitter、Facebookなどを使ってビデオに興味を持ちそうな人にあなたのビデオを告知します。
Youtubeには、キーワードでタグを付けることは忘れないように。
また、「ビデオの内容をドキュメント化したもの」をあなたのブログ・サイト上にアップしたり、ビデオ自体に字幕を入れておく、さらにはYoutubeの説明エリアに入れておきます。
さらに、あなたのビデオを広める方法として、「あなたのビデオを使って他の人が自分のオリジナルコンテンツを作るための「アイデア」も一緒に教えること」は有効です。
自分のブログやウェブサイトに理由もなくあなたのビデオを埋め込む人はいません。
あなたのビデオを埋め込むことで「自分のオリジナルコンテンツを作ることができる」というメリット・理由を与える必要があります。
さて、ここまでで「オーソリティサイト」を作る2つのポイント(「個別ページへのリンク」「ビデオコンテンツ」)を見てきました。
引き続き、残りの2つのポイントをご説明します。
質の高いコンテンツによってオーソリティページを作る
Googleのパンダアップデートは、質の低いコンテンツやそのようなページを保有しているサイト全体に大きな影響を与えました。
これからは、質の高いコンテンツを作ることがSEO上重要になってきます。
では、質の高いコンテンツとはどのようなものでしょうか?
Googleは、質の高いコンテンツについてガイドラインを出しているので、オーソリティサイトを作る上で是非ともチェックしておくべきポイントです。
参照:Official Google Webmaster Central Blog: 「More guidance on building high-quality sites」
以下のサイトでも日本語訳が確認できます。
参照:Googleからのアドバイス「高品質なサイト」とは? チェックリストを公開
いくつか重要なポイントをリストアップします。
- 他のサイトと重複、繰り返しになっているかどうか?
少しキーワードの使い方を変えただけのリライト記事になっていませんか?
- 内容が間違っていたり、誤字脱字の多い文章になっていないか?
何度も校正・編集された記事とそうでない記事ではしっかりと編集がなされた記事のほうが良いといえる可能性は高いです。
- そのコンテンツは、実用的で役に立つ内容なのか?
読んでも読者が何も益を得ることのないコンテンツでは品質の低いコンテンツと言えます。「ホームページの作り方・・・1:文章を作ります。2:文章をHTMLファイルで保存します。3:ウェブサイトへアップロードします。」これでは質の高い記事とは言えません。
- そのコンテンツはオリジナルか?
あなたのコンテンツはすべてオリジナルでなければなりません。
- コンテンツは、ユーザーに向けられたものか?それとも、検索エンジンに向けたもか?
あなたのコンテンツはユーザーにとって役に立つもので、ユーザーが良いと判断するものでなけれななりません。
- そのコンテンツは洞察力ある、示唆にとんだ分析や興味深い情報を提供しているか?
類似したものがWEB上にありますか?ある場合はそれらのコンテンツに無いポイントについて言及していますか?
- ユーザーは、その記事をブックマークしたり、シェアしたりしたいと思うか?
- 広告ばかりでコンテンツを読見にくいレイアウトになっていないか?
- そのコンテンツが雑誌や書籍に掲載されてもおかしくないか?
無料のブログだから掲載できるものの、雑誌や書籍に掲載されるには内容が弱すぎると感じる場合は、質の高いコンテンツではないと考えられます。
これらのポイントをコンテンツを作る上で、自分に問いかけて、客観的に「良いコンテンツ」だと判断してもらえるようなコンテンツを作っていく必要があります。
ソーシャルシグナルを増やしてオーソリティを作り出す。
ソーシャルシグナルは、検索エンジンのランキングに影響を与えるということは、米GoogleのEric Schmidt(エリック・シュミット)会長が明言していることからも、非常に重要な指標です。
参照:Google会長エリック・シュミット、「ソーシャルシグナルはランキングを決める指標として役に立つ」
では、ソーシャルシグナルとは、何の事でしょうか?
SEO会社のアウンコンサルティングによると以下のように定義されています。
ソーシャルシグナルとは「ソーシャルメディア上でリンクを伴った対象ページのコンテンツが、人々の間で共有されること」と定義することができる。
参照:ソーシャルシグナルについて語ってみよう~ソーシャルメディア SEO の効果~
要するに、TwitterやFacebook、Google plus で共有されるコンテンツは、それだけ広く認知され権威化されていくということです。
結論
あなたのサイトやブログを「オーソリティサイト」に育てるには、まず個別ページの内部リンクや外部リンクを最適化することです。
ドメイン全体をオーソリティ化するのは難しくても、個別ページであれば比較的簡単にできます。
ただし、そのためには高品質なコンテンツを作る必要があります。
コンテンツは文章だけでなく、ビデオを作ることも検討しておくと良いですね。
いずれにせよ、オーソリティレベルを上げることはすぐに出来るものではなく、継続的なコンテンツ作成と適切なプロモーションを続ける事が重要です。
個人的に重要だと思うのは、『いかに「効率的に」高品質なコンテンツを作る事ができる仕組みを構築できるか?』という点です。
時間をかければ、高品質なコンテンツを作ることはそれほど難しいことではないかもしれません。
問題は、高品質なコンテンツを作るだけの時間やコストをかけることができないという点でしょう。
その点で、「コンテンツ・キュレーション」という手法は一つの解決策になります。
他に良い方法が見つかったらまた記事にしたいと思います。