Facebook広告を数週間運用していると、「CPC(Cost Per Click:クリック単価)がどんどん上がっている」という状況に遭遇することはありませんか?
1日の広告予算を少額にしている方であれば、すぐには問題になりませんが1日数万円を同じ広告キャンペーン、または同じ広告セットに費やしているとCPCの上昇に直面することがあります。
原因として考えられるのは、ユーザーが広告に飽きている、または、ウザいと感じているケースです。
この状況が更に進むと、ユーザーは無意識に広告は無視するようになります。
そんなときに、チェックしてもらいたいのが「フリークエンシー」というFacebook広告の指標です。
設定したキャンペーンの期間における各広告の「フリークエンシー」の数値を確認して下さい。
「フリークエンシー」の数値が「2.5」さらには「3」を超えているようですと要注意です。
当社が運用している案件では、フリークエンシーが「3」を超えてもびくともしない広告も存在します。
ですが、多くの場合ではフリークエンシーの値が上昇するとCPCが上がっていきます。
今回は、Adespressの記事を参考にCPCの低下の原因となる広告無視を防止する方法をご紹介します。
目次
1:まずはフリークエンシーの値をチェックする
Facebook広告のCPC上昇を防ぐポイントは、前述のとおり「フリークエンシー」です。
ですので、フリークエンシーをチェックするようにしましょう。
ターゲット層が数百万単位でもなければ、Facebookは同じ人に何度も広告を見せようとします。
そうなると、さすがにユーザーもあなたの広告にウンザリしてしまいます。
Ad Espressoの調査によると、CTRとCPC、そしてフリークエンシ-にはこのような相関性が見られます。
Silent but deadly: the Frequency of your Facebook Ads:AdEspressoより引用
ここからわかるように、フリークエンシーの値が高くなればなるほど、CPCもCTR (Click Through Rate:クリック率)も悪化していくのです。
同じ広告を見れば見るほど、ウンザリされ無反応になっていきます。
たまに、広告に悪意のあるコメントを書かれる場合もあります。
フリークエンシーは「配信」ビューで確認することが出来ます。
フリークエンシーが「3」を超えていたら、今の広告を停止して
- 新しい広告画像を用意する
- 全く別の切り口のメッセージを入れた
新しい広告を作ってみましょう。
2:様々な広告配置を使う
Facebook広告には、Facebookへの広告配置以外に「Instagram」と「オーディエンスネットワーク」への配置が可能です。広告設定において「Instagram」と「オーディエンスネットワーク」への配置も許可する場合にFacebook広告では自動的に「Instagram」や「オーディエンスネットワーク」への配置も積極的に行います。
とくに、「Instagram」や「オーディエンスネットワーク」はCPCが低い傾向にあり、CPCが低い場合、両者の予算配分が多くなります。結果的にCPCが下がっていきます。
ただし、注意が必要です。
2-1:CPCが低くても、CPA(獲得コスト)が低くなるとは限らない
当社の場合、主に法人向けのサービスを提供しているクライアントが多い傾向にあります。
そうした状況もあるのか、「Instagram」や「オーディエンスネットワーク」はクリックはされるものの、殆どコンバージョンにつながりません。
CPCは非常に低くなるのですが、全くコンバージョンにつながらなかったという経験が多く、この記事を書いている時点では、「Instagram」や「オーディエンスネットワーク」は基本的に除外しています。
とはいえ、Facebookも広告表示の改善は行っていますので、業種によっては両者の広告効果も十分見込みます。
当社では、多くの場合、広告配置別に広告セットを作成してそれぞれの成果を確認しています。
3:広告を複数用意してローテーションさせる
毎日同じ広告をみていたら、誰しも飽きてしまいます。
ところが、同じ会社の広告でも全く違う画像やメッセージであればそれほど飽きないでしょう。
そこで、同じ広告であっても、複数の広告を作り「フリークエンシー」が2.5ポイントに近づいたら別の広告に変更してローテーションさせることが出来ます。
5~6パターンの広告を作成してローテーションさせておくと良いです。
3-1:広告の背景の色を変える
色は、人の心理と行動に影響を与えると言われています。(参考:【こんなにも凄い】色が人の心理と行動に与える影響とは)
青色は爽快感、冷静さを連想させます。黄色は喜び、楽観的な気持ち、緑は安心感を表します。ですから、人は気分によって引き付けられる色が変わります。明るい気分の時は暗い色調の色には惹かれないかもしれません。ですから背景色を変えてみるのも良いアイデアです。
もしあなたのブランドのイメージ色が決まっているのなら、同じ色でも濃い色と薄い色のバージョンを用意しておくと良いでしょう。例えば、こんな感じで。
新しい背景色の広告ができたら、フリークエンシ-が2.5から3よりも低い数値を維持できるようにローテーションさせると良いでしょう。
3-2:広告画像の位置を反転させる
前述の記事には、バナー画像内の写真の位置関係を逆にしただけで、CPCが10%下がったという内容も説明されていました。
こちらに関しては、当社でも実践して確認してみたいと思います。
アイデアとして、この記事に残しておきます。
「実際にやってみた」という方がいれば、情報共有してくだされば嬉しいです。
3-3:広告スケジュールをローテーションさせる
フリークエンシ-が2.5以上になったら停止して新しい広告をスタートさせる…頭ではわかっていても、いちいちやるのが面倒くさい…そう思う人も少なくないはず。
それをすっきり解決するのがこれ。広告スケジュールを使って色々な広告を表示する方法です。
複数の広告グループを作り、このスケジュール機能を利用してそれぞれの広告が表示される曜日や時間を設定すれば、自動的にローテーションすることができます。
3-4:オファーの内容を変える
ここまでは広告のビジュアル面を中心に見てきましたが、続いて広告の内容、メッセージに注目してみましょう。
もしオファーの内容がいつも似ているのであれば、A/Bテストの効果をもう少し試してみると良いかもしれません。
この偉そうに腕を組んでいる男性の広告は、当社が以前行っていた広告画像です。
どちらも非常によく似ています。デザインも同じですし、無料登録読を勧めるという目的も同じです。
違っているのは、オファー・メッセージの提案内容です。
左側の画像では、「スピード」を強調しているのに対して、右側は「低コスト」を強調する提案です。
このような、異なる内容のオファー・メッセージをFacebook広告でも活用するなら、ユーザーの広告疲れを防ぎ、内容にいつでも注目してもらうための助けになります。
4:広告キャンペーン目標を変更する
Facebook広告で実現する目標を変えてみるのも一つの手です。
目標を変更するのは、なかなか勇気がいることです。
ですから、目標を大きく変更するのではなく、少しだけ変えることから始めてみましょう。
例えば、Facebook広告で直接販売を行っていたなら、「無料登録」、「トライアル」の獲得に変更する。
もちろん逆に、「無料登録」から「有料販売」に変更するのも一つの方法です。
長期的にFacebook広告を使うのであれば、ユーザーにとって価値ある情報や役立つ情報を提供することでブランドや製品に対する信頼を得るという方法も挙げられます。
単なる販売目的の広告から見込み客との信頼関係を高めるために広告を使う当方法です。
ブログ記事をシェアするなど、これまでと全く違ったものを無料提供するといったことでブランドへの注目度を高めることができます。そして売るための広告でウンザリしているユーザーに新鮮な感覚を与えます。
5:ターゲット層をローテーションさせる
ターゲット層である視聴者たちを細かいグループに分類してみてください。たとえば
1 個人事業者などの小規模ビジネス向けのマーケター
2 B2B(法人向け)ビジネス向けのマーケター
3 B2C(一般消費者向け)ビジネス向けのマーケター
4 一般企業向けのマーケター
といった感じに分類します。これはあなたのターゲット層が幅広い場合に特に有効です。このようにターゲット層を絞り込んで、それぞれのグループ向けの広告を作ることで変化を加えられます。
6:広告にすでに反応している人を除外する
一度見た広告を短期間に何度も見るのは、ちょっとウンザリしてしまいますよね?
そこで、広告キャンペーンのランディングページを一度閲覧した人は除外するという設定も検討しましょう。そのためには、まず、Facebookのピクセルを使って過去60日の間にあなたのサイトを閲覧した人々をカスタムオーディエンスとして作成しておきます。
他にも申込フォームに登録したユーザーのリストを区別することもできます。
その上で、広告セットの編集でそれらのカスタムオーディエンスを除外設定を行います。
今回はFacebook広告でユーザーに飽きられないようにするための6つの方法を考えましたが、いかがでしたか?
役に立ちそうなアイデアはありましたか?
とはいえ、Facebook広告はまだまだ歴史も浅く、仕様の変更も多いのが特徴です。
今回ご紹介した方法も改善方法の一部分に過ぎません。
重要なのは、常に改善の可能性を模索していテストすることです。
より良いバナービジュアルはないだろうか?
より反応されやすいオファーに変更できないだろうか?
と改善意識を持つことが重要です。