当たり前ですが、ブログは書くネタが無ければ書けません。
ブログ、特にビジネスブログのためのネタは、限られたキーワードの中から探さなくてはなりません。探し方はいろいろとありますが、(以前のブログにもブログネタの探し方を書いています。「もうネタ探しに困らない!ビジネスブログのネタの探し方とネタ探しに便利なサイト13個」「ブログネタに困ったら、トレンドを意識してアクセスアップ!リアルタイムのランキングサイト活用法」)その中でも今回の記事では、一つのキーワードから広げていくアイデアの出し方に注目していきます。
ビジネス系のブログを運営する上で必要なのは、「大幅なアクセスアップ」というよりも、ブログに興味を持ってもらい、アクションを起こしてもらことです。アクションを起こしてもらうために必要なコンテンツを書くためのブログネタを頭からひねり出す方法です。
アイデアの出し方さえ覚えてしまえば、キーワード一つにつき多くのブログネタを見つけることができるでしょう。
目次
1:アイデアの出し方を覚える前に、まずアイデアの基本を考える
ブログは、簡単に言えば、
キーワード選定
↓
コンテンツ作成
↓
解析
↓
改善
の繰り返しで、アクセスアップを狙っていきますが、このキーワード選定とコンテンツ作成の間にキーワードに関するネタ探し、アイデア出しの工程があります。
1-1:ブログネタのためのアイデア
ビジネスブログのネタは厳選しなくてはなりませんので、普通のブログより書くのが大変だということは以前にも書きました。質の良い記事なるためには、たくさんのボツアイデアが必要だと考えます。
1-2:良い、すごいだけが「アイデア」じゃない
「アイデア」と聞くと、何かすごいものが思い浮かんでいるように感じます。
確かに「アイデア」の意味の中には、新しい思い付きのような意味もありますが、普通の「意見」、「考え」という意味もあります。すごいアイデアでなければ、「アイデア」と言ってはいけないと考える人もいるでしょう。
しかし、必ずしも「良い」「すごい」などが付かなくても「アイデア」と呼ぶことはできます。
1-3:「アイデア」が思い浮かばないと悩んでいる人にありがちな考え方
アイデアが出ないと悩んでいる人は、大抵すごいアイデア、良いアイデアが出ないと言っているだけの人が多いです。最初から良いアイデアじゃないと自分の中でも認めないという考え方をしている人は、考えている時間が長い割には、何時間たっても紙は真っ白で一つも出てこないということが多いです。
アイデアは浮かんでいるのに、これ!というアイデアが浮かばないから、結局「アイデアは出なかった」、では勿体ないですね。
1-4:「アイデア」は多くのいらないアイデアから生まれるもの
良いアイデア、すごいアイデアを出す工程で、全然使えないアイデアがたくさん出てきます。良いアイデア、すごいアイデアの生み出し方を覚えるのではなく、使える使えないにかかわらず数多くのアイデアの出し方を覚える方が賢明です。
つまり、アイデアは質より量です。
ブログのコンテンツアイデアに関しても同様です。良質なコンテンツを作成するためには、人が興味を持つネタを書かなくてはなりませんが、キーワードだけでそれが浮かんでくることはまれでしょう。キーワードに関すること、今まで書いたこと、誰もが知ってると思うようなこと、とにかく何でもネタになりそうなことを、書き出していきます。
文章が思い浮かぶなら文章で、キーワードだったらキーワードを組み合わせて。その中で、使えない、使い古されたと思われている組み合わせて違うアイデアが生み出させることもあります。
定番のアイデアも組み合わせれば、また違うものになるかもしれません。
2:慣れれば最強!オズボーンのチェックリストでアイデアの出し方を癖づける
では、ここからはアイデアを効率的に多く出し、質の良いコンテンツを書くための使えるアイデアを出す方法をご紹介します。
商品開発などの場面でも利用されることも多い、オズボーンのチェックリストをブログネタ出しのために利用することで、ユーザーが興味を持てる、また、新しい切り口での記事が書けるネタが見つかる可能性も高いのです。
2-1:オズボーンって誰?
オズボーンとはアレックス・F・オズボーンのことで、広告会社の社長だった人でもあり、ブレーンストーミングを作った人でもあります。
2-1-1:会議を効果的に効率よく!ブレーンストーミング
これから説明するチェックリストにも関係するので、簡単に説明します。
ブレーンストーミングというのは、簡単に言うと、アイデアをお互いが出すことにより、アイデアを連鎖させたり、相互のアイデアでより良いアイデアを生むという手法です。人数的には10名程度以内がベストです。
2-1-2:良いアイデアを生むためのブレーンストーミングの守らなきゃならない4原則
ブレーンストーミングでは、
- その場で結論をだすことをしない
- 自由な考え方を尊重する
- アイデアの質ではなく、量を意識する
- アイデア同士を相互作用させる
ことを守ります。
この技法を取り入れることで、より良い自由なアイデア、発見が生まれやすいのです。
2-2:オズボーンのチェックリストとは?
では、そのオズボーンが開発したチェックリストとはどのようなものでしょうか。
オズボーンのチェックリストとは、このブレインストーミングをする上で必要な、量を重視したアイデアを生み出すための手法になります。
2-3:オズボーンのチェックリスト9項目
オズボーンのチェックリストはの9項目あります。
2-2-1:転用(Put to other uses)
2-3-2:応用(Adapt)
2-3-3:変更(Modify)
2-3-4:拡大(Magnify)
2-3-5:縮小(Minify)
2-3-6:代用(Substitude)
2-3-7:再利用、置換(Rearrange)
2-3-8:逆転(Reverse)
2-3-9:結合(Combine)
です。
2-3-1:転用(Put to other uses)
- 新しい使い道はないか?
- 改善すると使い道が増えるか?その使い道は何か?
2-3-2:応用(Adapt)
- 似た物はないか?
- 何かの真似はできないか?
- 何か他のアイデアに結び付かないか?
2-3-3:変更(Modify)
- 意味を変えることはできないか?
- 色を変えることはできないか?
- 音を変えることはできないか?
- 匂いを変えることはできないか?
- 様式を変えることはできないか?
- 型を変えることはできないか?
2-3-4:拡大(Magnify)
- より大きくできないか?
- より強くできないか?
- より高くできないか?
- より長くできないか?
- より厚くできないか?
- 付加価値を付けることができないか?
2-3-5:縮小(Minify)
- より小さくできないか?
- より軽くできないか?
- より弱くできないか?
- より短くできないか?
2-3-6:代用(Substitude)
- 他の人で代用できないか?
- 他の物で代用できないか?
- 他の素材で代用できないか?
- 他の製法はできないか?
- 他の動力ではできないか?
- 他の場所ではできないか?
- 他のアプローチの方法はないか?
2-3-7:再利用、置換(Rearrange)
- 要素を置換、再利用できないか?
- 型を置換、再利用できないか?
- 配置を変えられるか?
- 順序を変えられるか?
- 因果を変えられるか?
- ペースを変えられるか?
2-3-8:逆転(Reverse)
- 前後左右上下転じてみられないか?
- 反転できないか?
- 順番を転換できないか?
- 役割を転換できないか?
- 後ろ向きにしたらどうか?
2-3-9:結合(Combine)
- 合体、ブレンドさせてみたらどうか?
- ユニットを組み合わせてみたらどうか?
- 目的を組み合わせたらどうか?
2-4:オズボーンのチェックリストの使い方、手順
2-3-1から2-3-9に挙げた項目を利用して、アイデアを出していくのですが、使い方は簡単です。
チェックリストに答えるだけです。
項目を紙に書いたりパソコンで打ち出しておけば、すぐに使えます。チェックリストに沿って考えをまとめることで、自然とアイデアが生まれてきます。
業態や分野の違うものや、自然界のもの、ライバル会社のアイデアなどそのままでは使えないことも、組み合わせることで、別の新しいものが生まれる場合もありますので、考える時には既存の概念に縛られないようにします。
2-5:オズボーンのチェックリストのメリット
オズボーンのチェックリストを使用することで
- 効率的に短時間でアイデアが生まれる
- いろいろな場面で使える
- アイデアの量を稼げる
などのメリットがあります。
短期間にいくつもアイデアを出してネタを考えなくてはならないブログにもぴったりの手法です。
2-6:オズボーンのチェックリストを利用した便利ツール
オズボーンのチェックリストは、短時間でできるアイデアの出し方としては素晴らしいですが、もっと時間を短縮したいという人にとって、便利なツールがあります。
「アイデア生産工場」
は、オズボーンのチェックリストを元に作られていますので、窓にキーワードを入力するだけで、チェックリストに沿ったアイデアを出してくれます。
先ほど上記で紹介した項目は、一見自分の業界やブログの内容と関係が無く、やることに意味があるのかと思われることもあります。
また、関係ないに決まっているからと、質問を飛ばしてしまう人もいるでしょう。
そう思っても、このツールを使って、一度アイデアを導き出してみましょう。すると、今まで自分が考えなかったようなアイデアが出てくることがあり、オズボーンのチェックリストがどの分野においても、有用性のある技法だということが分かっていただけると思います。
また、「チェックリストのシートを作るのが面倒くさい、まとまった物がないの?」という人には、「アイデアキー」のオズボーンのチェックリスト改(PDF)でオズボーンのチェックリストシートがダウンロードできるようになっています。上記に挙げた項目より、より細かくなっていますので、このシートをデスクの前に貼っておいて、いつでもアイデアが浮かぶ体制を作っておくのもいいでしょう。
2-7:オズボーンチェックリスト覚え方
「発想法入門」の著書で知られている星野匡さんは、オズボーンのチェックリストについて、簡単に暗記できる方法を紹介してくださっています。
ださく似たおち
というフレーズです。
だ 代用できないか?
さ 逆さまにしたら?
く 組み合わせたら?
似 似た物はないか?
た 他の使い道はないか?
お 大きくしたらどうか?
ち 小さくしたらどうか?
常に頭に入れておいて、外出先や商談の最中、キーワードを考えている最中などでも、何かキーワードが出たらこのフレーズを考えるようにしておくと、訓練されて自然にアイデアが生まれるようになります。
2-8:オズボーンチェックリストに似ている?SCAMPER法
使い方や手順が同じようなSCAMPER法があります。
これはボブ・エバールがオズボーンのチェックリストを改良したものであり、ほとんど項目としては被っていますので、簡単にご紹介いたします。
Substitude(入れ替えしたら)
Combine(統合したら)
Adapt(応用したら)
Modify(修正したら)
Put to other uses(使い道を変えたら)
Eliminate(取り除いたら)
Rearrange/Reverse(並び替えたら、逆にしたら、調整したら)
の7項目になります。
詳しい内容については、「Biz.ID」のSCAMPER法-「10分以内にアイデア3つ出さなきゃ」を叶える方法の中のSCAMPER Questionsや、「KandaNewsNetwork KNN」の、SCAMPER(スキャンパー)におるアイデア発想ツールに、翻訳されたものが紹介されていますので、ご覧になってみてください。
3:40項目の詳細なチェックリスト、TRIZ法
チェックリストによって、アイデアを生み出すという意味で、TRIZ法もあります。
オズボーンのチェックリストと同じような項目もありますが、オズボーンのチェックリストには無い部分もありますので、ご紹介します。
ただ、始めに言っておくと、TRIZ法の場合は、特許のデータを分析し法則化したものなので、発明や商品などに利用する考え方が多いという印象です。ブログネタを考える際に、使えるかどうかはキーワード次第になってしまいますが、新しいアイデアを生み出すという意味では、知っておいて損は無いでしょう。
3-1:TRIZの意味と歴史を知る
TRIZとは、“Theory of Inventive Problem Solving”(発明問題解決の理論)のロシア語の頭文字を語源として、アルファベットに直したもので、ロシアのアルトシュラーによって開発されたものです。
膨大な量の特許を分析して、特許を申請しているものには同じ原理が使われていることに気づき、法則を導き出しました。
3-2:TRIZにまとめられた問題解決、アイデアの発想法としての40項目
40項目には原理として名前が付けられています。翻訳の仕方やまとめ方などはいくつのパターンがあります。ここでは、「Idea Tool」の、TRIZ法が簡単に分かり易くまとまっていたので、引用させていただきます。
分割原理
分割したらどうか?分離原理
分離したらどうか?局所性質原理
一部を変更したらどうか?非対称原理
非対称にしたらどうか?組み合わせ原理
2つ以上を合わせたらどうか?汎用性原理
他でも使えるようにしたらどうか?入れ子原理
中に入れたらどうか?つりあい原理
バランスをよくしたらどうか?先取り反作用原理
先に反動をつけたらどうか?先取り作用原理
先に予想したらどうか?事前保護原理
重要なところを保護したらどうか?等ポテンシャル原理
同じ高さにしたらどうか?逆発想原理
逆にしたらどうか?曲面原理
回転させたらどうか?ダイナミック性原理
環境に合わせたらどうか?アバウト原理
おおざっぱにしたらどうか?他次元移行原理
垂直方向を使ったらどうか?機械的振動原理
振動を与えたらどうか?周期的作用原理
繰り返しにしたらどうか?連続性原理
継続的に続けたらどうか?高速実行原理
高速で実行したらどうか?災い転じて福となす原理
マイナス点からプラスを引き出せないか?フィードバック原理
基準値に戻したらどうか?仲介原理
仲介したらどうか?セルフサービス原理
自分で行ないようにしたらどうか?代替原理
コピーしたらどうか?高価な長寿命より安価な短寿命原理
安くてすぐダメになるものを作ったらどうか?機械的システム代替原理
別のシステムを使ったらどうか?流体利用原理
流体を使ったら(にしたら)どうか?薄膜利用原理
薄い膜を利用したらどうか?多孔質利用原理
スキマを利用したらどうか?変色利用原理
色を変えたらどうか?均質性原理
質を統一したらどうか?排除再生原理
排除したらどうか?再生させたらどうか?パラメータ原理
形や条件を変更したらどうか?相変化原理
形状を変更したらどうか?熱膨張原理
熱を加えてふくらませたらどうか?高濃度酸素利用原理
濃度を濃くしたらどうか?不活性雰囲気利用原理
反応しないものを入れたらどうか?複合材料原理
違う質のものを合わせたらどうか?
です。
3-3:これなら簡単!TRIZ法を使ったアイデアの出し方
上記の項目をカード方式にして、アイデアを出しやすくしてくれた「智慧カード」という商品がありました。TRIZ-10分以内に「それ、どうやって実現するか」を思いつく方法でカードになっているものをリストで書いてくれていましたので、引用します。
智慧カードリスト
【01】分けよ
【02】離せ
【03】一部を変えよ
【04】バランスを崩させよ
【05】2つを併せよ
【06】ほかにも使えるようにせよ
【07】内部に入り込ませよ
【08】バランスを作り出せ
【09】反動を先につけよ
【10】予測し、仕掛けておけ
【11】重要なところに保護を施せ
【12】同じ高さを利用せよ
【13】逆にせよ
【14】回転の動きを作り出せ
【15】環境に合わせて変えられるようにせよ
【16】大雑把に解決せよ、一部だけ解決せよ
【17】活用している方向の垂直方向を利用せよ
【18】振動を加えよ
【19】繰り返しを入れよ
【20】よい状況を続けさせよ
【21】短時間で終えよ
【22】よくない状況から何かを引き出し利用せよ
【23】状況を入口に知らしめよ
【24】接するところに強いものをつかえ
【25】自ら行うように仕向けよ
【26】同じものを作れ
【27】すぐに駄目になるものを大量に使え
【28】触らずに動かせ
【29】水と空気の圧を利用せよ
【30】望む形にできる強い覆いを使え
【31】吸いつく素材を加えよ
【32】色を変えよ
【33】質を合わせよ
【34】出なくなるか、出たものを戻させよ
【35】温度や柔軟性を変えよ
【36】個体を気体・液体に変えよ
【37】熱で膨らませよ
【38】「そこを満たしているもの」のずっと濃いものを使え
【39】反応のおきにくいものでそこを満たせ
【40】組み合わせたものを使え
3-4:TRIZ法のアイデアの出し方手順
リストを印刷したものを見て、1項目につき、5秒程度見て、関係しそうと思うものにチェックを入れます。あまり考えずに直感的にチェックするのがポイントです。少なくとも1個はチェックがついていると思いますので、そこから広げていきます。
項目は40項目ですが、TRIZ法の場合には、40項目すべてについて考えるのではなく、パッと見て関係しそうな質問だけ深く考えて行く形になります。1つの質問に5秒程度の時間なので、時間もかけることなく、アイデアを出すことに取り組めます。見ているうちに新しいアイデアが浮かんでくる可能性もありますね。
4:まとめ
この記事で書いたアイデアの出し方は、ブログネタに関するサイトに限らずマーケティングや企画に関するサイトに多く書かれています。そのために今回は“ブログネタ”という言葉はあえてあまり使わず、“アイデア”としました。
ブログネタを出すためだけではなく、新しい発想を必要とするいろいろな場面で役立ててほしいと思います。
今回は3つの方法をご紹介しましたが、他にもブログネタを考える時にも使えそうなアイデアの出し方があります。
それもまた別の機会でご紹介できたらと思っています。
5:参照記事
今回はこちらの記事を参考にさせていただきました。
ありがとうございます。
「5セカンズ」
アイデア発想法4つ
「発想法110番」
オズボーンのチェックリスト法
「Idea Tool」
アイデア発想法
「発想の基本スキル」
チェックリスト
「記憶法&発想法-頭が良くなる脳の使い方-」
アイデアを生み出す法則“SCAMPER”
「creive」
アイデアを大量生産!誰でも企画屋になれる7つのwebツール・発想法
「ススムログ」
オズボーンのチェックリストを使ったアイデア生産工場でネタ不足解消!
「石井力重の活動報告」
SCAMPER法。企画系のアイデアチェックリスト。
「LIG INC.」
モアイのような石頭でもアイデアを発想できる7つ道具
「お土産屋さんブログ」
アイデアを大量生産できる最強のフレームワーク「オズボーンのチェックリスト」
「Biz.ID」
SCAMPER法-「10分以内にアイデア3つ出さなきゃ」を叶える方法
アイデアにつまったら、「オズボーンのチェックリスト」を試してみる
TRIZ-10分以内に「それ、どうやって実現するか」を思いつく方法
「Wikipedia」
ブレインストーミング
「アイデアキー」
「オズボーンのチェックリスト改」を使った61のアイデア発想法
「PROENGINEER」
TRIZとは|体系・適用事例・ノウハウ
ひとり勝ちニッチ編集部
山口