以前、このブログで「個人ブランディング」についての記事を書きました。
読み返しているとかなりさらっとした記事ですが、「個人ブランディング」でGoogle検索すると1ページに表示されています。
ただ、「個人ブランディング」という言葉は、一般的ではなく検索ユーザー数も多くありません。
そんなこともありまして、内容も刷新したうえで今度は「パーソナルブランディングを構築する方法」というテーマで簡易マニュアルを提供することにしました。
目次
1:パーソナルブランディングの簡易マニュアル
私自身、クライアントのブランディングやプロデュースを行っていて特に「専門家」「プロフェッショナル」と呼ばれる方々のブランディングや切り口の企画・提案、プロデュースなどもしています。
実際に、売上が倍増したり、出版に成功したり、キャパシティいっぱいになるまで集客に成功して「笹木さん申し訳ないんだけど、もう集客しなくていいよ」と言われるようになることもあります。
そこまで成果を出せると非常に嬉しい事ですし、自信にもなります。
1-1:私自身パーソナルブランディングに問題を抱えてしまいました。
ところが、困ったことに私自分自身がパーソナルブランディングに問題を抱えてしまいました。
というのも、独立当時に比べて圧倒的に仕事のレベルと「幅」が広がっているので、以前とは仕事の内容が変わってきているにも関わらず、相手側にそれを伝える努力を怠っていたのです。
このブログも、2年近く更新していませんでしたし、HPもリニューアルしていません。
ですから、セミナーの受講生から「笹木さんのセミナーで話している内容とHPで書かれているものと内容ってかなり違いますよね?」と言われたこともあります。
また、2年前に高反応HP講座というWEB講座をリリースしました。
このような講座を開催して「HPの専門家」としての立場を確立すれば、外から見て非常に分かりやすいです。
ところが私の場合、コンサルティングを行う際にHPの話をしないことの方が多いですし、そもそもWEBの話すらしないこともよくあります。できる事、やりたい事がどんどん変化していくことは、「成長」として考えれば悪いことではないのですが、成長に伴いお客さんの認識とのギャップが生まれてしまうのはよくありません。
1-2:手順書のような記事がなかったので
そんなこともあり、自分自身のブランディングを見直そうと整理したことの一部をブログ記事にしてお伝えすることにしました。一度作っておけば、自分自身でも見直せるし、お客さんにも見てもらえますからね。
記事にするのに伴いネットで幾つか記事を読んでみました。感想としては、具体的、体系的にまとめた記事が無かったこと。手順書のような記事がなかったので簡易マニュアルのような記事を作ることにしました。一方でとても面白い記事もたくさんあったので、参考になったものはいくつかご紹介しています。
『手順だけ参考にしたいという方は、5:パーソナルブランディングの作り方 から読んで下さい。』
この記事が参考になれば嬉しいです。
2:パーソナルブランディングとは
パーソナルブランディングという言葉は、人によって捉え方が異なります。
そもそも、「ブランド」、「ブランディング」という言葉自体も人によって解釈が異なるので、この記事における「パーソナルブランディング」の位置づけも明確にしておきます。
この記事では、パーソナルブランディング、セルフブランディングを自分自身のブランド価値を高める技術として捉えて説明します。
2-1:パーソナルブランディングは3つのことを人々に伝えるもの
私は学者でもないし、パーソナルブランディングの専門家でもないので「パーソナルブランディングとは何か?」という定義については、権威の言葉を紹介したほうが早い。
『パーソナルブランディング』の著者ピーター・モントヤによるとパーソナルブランディングは以下の3つを人々に伝えるものと説明している。
- あなたは誰なのか
- 何をしているのか
- あなたが他の他人と違うところ、あるいはターゲットとするマーケットに対してどんな価値を提供するのか
これらを明確に相手に伝えるようにすることで、あなたの価値をただしく伝えることが出来る。
2-2:パーソナルブランディングは、様々な人に必要な技術
パーソナルブランディングというと、独立した専門家にしか意味が無いと考える人が多いようですが、パーソナルブランディングの著者ピーター・モントヤによると必ずしもそうではありません。
彼は、パーソナルブランディングを
①独立したサービスのプロフェッショナル、
以外にも
②個人相手のサービス
③付加価値商品の販売の分野
に必要だと述べています。
③の付加価値商品の販売の説明では、『商品を扱うビジネスであればどれでも同様に向いている』と述べている。また具体例として、自動車ディーラー、書店、高級品販売業などを挙げています。
このことからも、パーソナルブランディングは独立した起業家やコンサルタントだけの話ではなく、様々なビジネスマンに必要なスキルということがわかります。
2-3:パーソナルブランディングは、自分を正しく理解してもらう技術
「自分の実力が評価されない」
多くの人がこのような思いを持つことがあると思います。
自分の知識や経験、スキル、思考力、といったものは他人からは見えません。
実績もしっかりと表に出さないと見過ごされてしまいます。
ですから、自分の価値を示さないと過小評価されてしまうわけです。
そこで重要になるのが専門家としての立場。
なぜなら、人は他人の意見を評価する際に「何を言った」ではなく、「誰が言った」という点を評価する傾向があるからです。
パーソナルブランディングをしっかりと行うことでお客さんに対して
「私はあなたにとってこんな価値があるよ。あなたにとってこんなメリットがあるよ。」という事を伝える事ができるようになります。
3:セルフブランディング問題
パーソナルブランディングについてお伝えする上で、セルフブランディングという言葉についても触れておきたいと思います。
私はそこまで気にしていなかったのですが、『セルフブランディング』という言葉は、思いの他ネガティブなイメージもあるようです。
その点についても少し触れておきましょう。
3-1:いわゆる「セルフブランディング」に抱く悪いイメージ
パーソナルブランディングと似たような言葉で「セルフブランディング」という言葉もあります。
ただ、「セルフブランディング」という言葉は一部で悪いイメージを持たれているようです。
techse7en.comというサイトでも以下のように書かれています。
「「セルフブランディング」という言葉は悪い印象を持たれていることが多い。理由としては、セルフブランディングが「実力以上に自分を飾る方法」として捉えられていることにあると思う。はっきり言って、私もこの言葉はあまり使いたくないと感じる。」
私もtechse7en.comのイイヅカさんと 同じ意見で、「パーソナルブランディング」「セルフブランディング」は、「実力以上に自分を飾る方法」というイメージや単に知名度を高めるといったあまり良くないイメージを持つことが多いように感じます。
3-2:パーソナルブランディングやセルフブランディングに嫌悪感を持つ理由
人によって感じ方が違うので断言できませんが、パーソナルブランディングやセルフブランディングという言葉に少し違和感を持つ人もいると思います。
私も「パーソナルブランディング」「セルフブランディング」をあまりに全面に出されて、押し売りされると何となく違和感を感じます。
おそらくそれは、本来パーソナルブランディングでは出来ないことを無理やり「パーソナルブランディング」「セルフブランディング」の名のもとに実施しているからでしょう。
前述のピーター・モントヤは、パーソナルブランディングが出来ないこととして
- 能力不足を補う
- 有名人にする
- パーソナルブランディングだけで目標を達成する
この3つを挙げています。
にも関わらず、「セルフブランディング」が
- 「能力不足を補う」
- 露出を増やして「有名人」になる
ための手法として誤解されるような扱い方をする人達がいるからでしょう。
それらのいわゆる『セルフブランディング』をしている人達を見てしまうと、
「自分はあんなに自己顕示欲丸出しの行動はしたくない・・・」
「ブランディングするにはああやって露出しないといけないのか・・・」
と感じてしまうのは、仕方がないと思います。
3-3:ウィキペディアでは、パーソナルブランディングとセルフブランディングは分けられている。
この記事では、パーソナルブランディングとセルフブランディングを同じように捉えているのですが、このような記事もあるので参考に載せておきます。
『セルフブランディング と self branding 、そして パーソナルブランディング personal branding』-
mediologic.com
“つまり、一般的にブランディングと呼ばれるものが、ブランド側からの働きかけなのに対し、self branding とは、消費者側が自らがイメージする像にマッチするブランドに合わせていくという消費者行動のことを指す。”
上記の通り、パーソナルブランディングとセルフブランディングが全くの逆のものとして扱われているようです。
ただ、この意味合いでセルフブランディングという言葉を使っている人は非常に少ないと思いますので、この記事では「パーソナルブランディング」も「セルフブランディング」も同じ意味合いとして扱います。
4:なぜ、パーソナルブランディングが必要なのか?
では、パーソナルブランディングの必要性も考えてみましょう。
なぜ、パーソナルブランディングが必要なのでしょうか?
もちろんそれは、メリットがあるからです。
ビジネスを有利に進めることができるからです。
少ない労力で大きなメリットを得ることが出来るという事がパーソナルブランディングの特徴であり必要とされている理由です。
では、具体的にどのようなメリットがあるのかよく挙げられる点をまとめてみましょう。
- お金・収入アップ
- セミナーや講演で集客できるようになる
- 見込み客やメルマガ読者が増える状態になる。
- 営業力が強化される。
・・・コピーライティングなど販売やプロモーションに多大な労力やコストをかけなくても売れるようになる。極端な話「商品を出したよ。」と告知するだけで売れる状態。 - 収益の安定化
- 信頼性を高める
- 商品・サービスの価値を高める・・・利益率があがる。
- 知名度の向上・・・「知っている」人が多くなり仕事が有利に進めやすい
このようにパーソナルブランディングは私達のビジネスを楽にしてくれる強力な武器です。
4-1:パーソナルブランディングはビジネスを楽にする
ブランディングは、ビジネスを行う上で非常に強力なツールです。
ブランディングに成功するとより少ない労力でより良い顧客を手に入れて、より多くの収益を生み出す事になります。
もちろん、パーソナルブランディングも同様です。
パーソナルブランディングで成功すると、労力のかかるマーケティング・販売施策を必要とせず望む売上を手に入れることができるようになります。
WEBのマーケターと呼ばれる人たちは
- SEOの知識を身につけよう
- 高度なコピーライティングのスキルを身につけよう
- 返金保証をつけよう
- フリー戦略を取り入れよう
- コンテンツマーケティングを取り入れよう
などの様々なマーケティング施策を提案するかもしれません。
そのようなマーケティングの知識やスキルはもちろん重要です。
ただし、マーケティングの知識やスキルはどんどん複雑、高度になっています。
例えば、SEOについても5年前に比べて手間もコストもかかるようになり、難易度も高くなっています。返金保証も以前に比べてインパクトが薄くなってきているかもしれません。
そうなれば、さらに複雑な販売施策が必要になり、それだけ手間やコストがかかるよことになります。簡単に言うと面倒臭くなります。
ただし、強力なブランディングがあれば、複雑なプロモーションをすることなく、売れる状態を作ることが出来るようになります。
それが「ブランディング」が重要視されるポイントとも言えるでしょう。
極端な話「商品を出したよ。」と告知するだけで売れる状態です。
強力なブランディングであれば、商品販売用の資料や販促ツールを作る手間やコストを省くことが出来ます。返金保証を付けなくても信頼されるになります。
パーソナルブランディングも同じで、自分自身を信頼してもらったり、価値を感じてもらうための売り込みの手間を省くことができ、有利な立場を作ることができるのでビジネスを楽にしてくれます。
4-2:パーソナルブランディングは売上・収入を上げる
売上アップの公式として以下をセミナーやクライアントへの説明で行うことがあります。
期待感×信頼性=売上アップ
◯差別性・優位性・信頼性
度々でてくるピーター・モントヤによると、パーソナルブランディングは、ターゲットとなる人の心に以下の3つの印象を思いおこさせるものでなければならないと述べています。
- 差別化
- 優位性
- 信頼性
これを上記の売上アップの公式に当てはめるとこのようになります。
期待感(差別化・優位性)×信頼性=売上アップ
ピーター・モントヤが言うところ「差別化」「優位性」は、何のためにやるかというと「期待感」を高めるためだと思います。
「差別化(他のものとは違う)」されていて、「優位性(他のものよりも優れている)」の高いものを提示されれば、誰しも期待感を持ちますからね。
つまり売上をあげるために必要な要素を手に入れることができるわけだから、パーソナルブランディングを行わない人よりも行ったほうが売上・収入を上げやすいわけです。
4-3:パーソナルブランディングはお客さんのため?
パーソナルブランディングは、自分自身のために使うと考えるのが一般的です。
私自身、自分のビジネスを有利に進めるために使うものという視点で考えていました。
この記事でもここまで「ビジネスを有利にする」「売上・収入を増やしやすくする」という視点で必要性を説明してきました。
ただ、ネットでパーソナルブランディングに関連する記事を色々と調べていたところ、とても興味深い記事を見つけたのでご紹介します。
『セルフ・ブランディングに必要なのは「もてなしの心」じゃないか、という話』-egamiday 3
時間があったら、ゆっくり読んでみると良いですね。
様々な視点で考えることは、自分の考え・発想を広げてくれる機会になりますから。
特に、「パーソナルブランディング」や「セルフブランディング」が必要とは頭では分かっていても、心理的に何となく抵抗感を感じる人に読んでもらえると良いと思います。
江上さん曰く
「egamiday 3」のブログ運営者である江上さんは先の記事で
セルフ・ブランディングを「自分の利益のため」じゃなくて「相手のため」だと考えれば、
@@のできる人をわざわざコストかけて探す必要がない。(見つけてもらいやすさ)
つまり、顧客側から考えても、パーソナルブランディングがしっかりいしている人が存在すれば、
- 手間をかけて探すコストを削減できる。
- 信用出来る証拠を探すために調査する手間やコストを削減できる。
- 安心して頼める。
といったメリットがあります。
“人さま・世間さまの視点に立って、人さま・世間さまに利がありますようにと、心を尽くして配慮する「もてなしの心」。それがセルフ・ブランディングに必要なことなんじゃないか、と思うんです。”
この記事を読んで「なるほどな!」とすんなり受け入れることが出来ました。
顧客視点、まさにマーケティング的な発想ですよね。
そもそも、この視点こそが本当に必要なものだと思います。
パーソナルブランディングは、自分のためだけでなくお客さんのためにも必要という事です。
5:パーソナルブランディングの作り方
お待たせしました。
やっと本題に入ります。
では、実際にどのようにパーソナルブランディングを作っていくのかについて説明します。
この記事では、やり方を大きく3つのフェーズに分類します。
5-1:現状把握・・・今現在のパーソナルブランディングの状態を把握する
5-2:ブランド構築・・・現状把握をもとにどのような対策が必要かを決定する
5-3:ブランド伝達・・・パーソナルブランドを外に伝えていく
では、それぞれを順に見て行きましょう。
5-1:現状把握
まず、現在の自分のパーソナルブランドがどのようなものかを理解するところから始めます。
ブランドは、「相手がどう見ているか」つまり、相手が抱くイメージに左右されます。
ですから、パーソナルブランディングを見直す上で重要なのは、現在自分が「相手からどう見られているか?」を理解することです。
5-1-1:顧客の声を集める
現状を把握するために一番確実なのは、お客さんや知り合い、関係者の声を聞くことです。
- あなたの名前を聞いた時にどんなイメージを持つか?
- あなたを何の専門家として認識しているか?
- あなたの強みや特徴は何だと思うか?
- あなたのことを他の人にどのように説明しているか?
- あなたのことを他の人に説明するとしたらどのように説明するか?
- 第三者はあなたのことをどのように話しているか?
このような事を聞いてみて、他の人にどのように認識されているのかをチェックします。
5-1-2:自分が発しているメッセージや資料、販促ツールを評価する
もし、他の人にヒアリング出来ない場合は、自分が発信しているメッセージや資料をもとに他の人にどのように評価されるかを判断します。下記のツールを各種資料を他の人に見せてどのように認識されるかを聞いてみます。または、自分で客観的に評価してみます。
- HP
- 名刺
- ブログ
- ソーシャルメディア
- メルマガ
- 販促ツール
- お客からもらったメールや手紙など
5-1-3:パーソナルブランドの影響範囲をチェックする
ブランドの影響範囲をチェックすると言っても、明確な数値や指標を調べるという意味ではありません。もちろん、メルマガの読者数やfacebookの友達の数、などの数値化出来るものはあります。それらを定期的にチェックして管理することも理論的には可能ですが、「パーソナル」ブランドでそこまでするのは現実的ではないでしょう。
パーソナルブランドの影響範囲をチェックする目的は、目指すべき状態を意識することです。
現状を見直すことで、自分のブランドがどれだけの影響を与えているかということ自体を考えるきっかけになります。
見直すことで
「関連するセミナーに参加して名刺交換した時に『お名前はよく聞きます。」と言ってもらえるようにならないとな。」
など、影響範囲を広める事も意識するようになると良いですね。
5-2:ブランド構築
現状把握の次のフェーズは、実際にブランドを構築するフェーズです。
このフェーズが一番難しいでしょうね。
5-2-1:現状把握の結果を基に目標やブランディングの方向性を決定する。
5-1:現状把握 を基にして目標を設定します。
現状把握において顧客やパートナーがあなたに抱いている印象をまとめました。
それに対してあなたが「どのような印象を持たれたいか。どれぐらいの影響範囲を持ちたいか?」を考えてみましょう。
現状と理想にギャップがあれば、ブランディングの方向性が見えてきます。
理想に近づけるためにブランディングを再構築していきます。
5-2-2:強みや特徴を把握する。
パーソナルブランディングは、あなたの強みや特徴を活かすことが重要です。
まずは、自分の強みや特徴、実績を棚卸ししてみましょう。
5-2-2-1:強みや特徴を50個リストアップする。
あなたの強みや特徴、お客さんに褒められたこと、実績をリストアップします。
少なくとも50個リストアップすることを目標にします。
まずは、50個リストアップすることが目標なので一つ一つは一言二言の簡単なポイントを挙げるだけでよいです。
5-2-2-2:リストアップしたものを深堀りする。
次のステップはリストアップしたものを深堀りしていきます。
- 具体的に言うと?
- 例えばどんなことか?
- 数値や事実を含めて言い直すと?
- なぜか?なぜそう言えるのか?
といった切り口で深堀りします。
5-2-3:ターゲット層を決定する。
パーソナルブランディングは、他のマーケティング施策と同様に「ターゲット」「対象」を決めることが重要です。
ターゲットの決め方も様々な方法が開発されているので、ここではパーソナルブランディングにおいて活用できるターゲットの設定方法を紹介します。
5-2-3-1:過去の顧客から一番良い顧客をピックアップする
ターゲット顧客を決める上で一番簡単なのは、実在する顧客から選ぶことです。
今までの顧客の中から最もよかった顧客を5名ほどリストアップして彼らの特徴をまとめる。
もし、選びにくいと感じたら以下の方法を試してみるとよいでしょう。
- 逆に今までで嫌だった顧客をピックアップして嫌な理由をリストアップする。
- 最も高い時間単価が得られる顧客をピックアップする。
- 最も長くお付き合いしている顧客をピックアップする。
- 最も紹介をしてくれる顧客をピックアップする。
- 営業の手間やコストがかからなかった顧客をピックアップする。
このような切り口で過去のお客さんを見なおしてみて今後獲得していくべきターゲット顧客の特徴を明確にします。
5-2-3-2:過去の自分の経験から顧客層を設定する
この方法は、一部の職種では利用できる方法です。
例えば、集客支援のコンサルティングをしている場合、起業したころの自分を思い出して当時抱えていた課題や考えていたことを基に顧客層を設定する方法です。
5-2-3-3:自分の強みや特徴を活かせる顧客層を見つける。
5-2-2:強みや特徴を把握する。で行った自分の強みや特徴を見直して、能力を発揮しやすい顧客層を決める方法です。
5-2-3-4:紹介が生まれやすい影響力のある層を顧客にする。
- 業界に影響力を持っている
- 知名度がある
- 顧客リストやメディアをもっている
- 人脈・ネットワークをもっている
こういった特徴をもっている人を顧客にすることで、ひとつの仕事が成功すれば口コミが大きく広がりやすくなります。一つの仕事が次の仕事につながるような顧客を選ぶことで集客の苦労を減らすことが出来ます。
影響力のある人からの紹介であれば、ブランドの影響範囲を大きく広げることが出来るだけでなく、信用度も大きく高めることが出来ます。
5-2-3-5:アプローチしやすい顧客、営業コストが低い層を顧客にする。
「5-2-3-4:紹介が生まれやすい影響力のある層を顧客にする。」のメリットは、成功することで雪だるま式に顧客を広げることが出来るだけでなく、あなたのパーソナルブランドの価値や影響度を一気に高めることが出来るという点にあります。
ただし、デメリットとしては、そうした層を顧客にするのは簡単ではないという点です。
影響力の高い人や企業を顧客にするのが難しい場合は、対照的に、見つけやすい顧客、アプローチしやすい顧客、をターゲット層にするという方法もあります。
5-2-4:特化する差別化ポイントを決定する。
パーソナルブランディングの肝は「特化」、「差別化」です。
あなたが顧客から選ばれる理由を作らなければなりません。
自分の強みや特徴、さらには特性や才能をもとに「他との違い」さらにいうと「NO1」にポイントを見つけてそこを磨くようにします。
「自分にはそんなものないよ」と感じる人も多いかと思いますが、自分では気付いていなかったり、強みや特徴だと思っていなかったポイントが特化するポイントだったりします。
ここでは、差別化ポイントを見つける上でのヒントを幾つか紹介します。
5-2-4-1:ライバルを調べてライバルが提供していないポイントを見つける
重要なのは、選ばれる理由を作ることです。
その上で一番簡単なのは、「他にないから」という切り口。
ライバル調査を行って業界におけるライバルの特徴や強み、キャッチコピーをまとめて、他が提供していない独自の切り口を見つけます。
ネットで競合を30社~50社ぐらい調べると傾向が見えてきます。
「意外とどこも同じような売り出し方しているなぁ」と気付くことになると思います。
5-2-4-2:顧客や見込み客が抱える問題や課題、不安、不満から特化するポイントを見つける
顧客や見込み客が抱える課題を徹底的に調べると、ライバルがまだ解決していない問題が見つかることがあります。顧客が抱えている問題であり、尚且つライバルが解決していないのであれば、確実に選ばれる理由になります。
顧客や見込み客から直接聞くことはもちろんですが、ヤフー知恵袋のようなQAサイトにもヒントが転がっていることがよくあります。
さらに、重要なポイントは顧客や見込み客がライバルに対して抱いている「不満や不安」も見逃さないということです。
たまに、電話やメールで「他の会社では◯◯と言われたのですが、御社の場合はどうですか?」といった問い合わせがあるかと思います。
これは、明らかに顧客や見込み客がライバルに抱いている「不安や不満」です。
わざわざ電話したり、メールで問い合わせするぐらいの不満や不安なのですから、特化するヒントになり得ます。
5-2-4-3:才能や性格的な特徴をもとに特化するポイントを見つける
人にはそれぞれ性格的なタイプが存在します。
仕事や学習によって得た知識やスキルとは別に、持って生まれた傾向や思考パターンなどの特徴は様々です。
そのような才能や性格的な特徴に合わせて自分の特徴や才能を最大限伸ばせるポイントを見つけてそこをパーソナルブランディングに適用することでブランドの価値を高めやすくなります。
例えば、人によっては、「作り出す」事が得意な人もいれば、「見つけて広げる」事が得意な人もいます。そのような特徴や思考パターンの違いを見極めて自分にあった特化するポイントをみつけることも重要です。
そのような人間の特徴や正確のタイプ分けは様々な専門家がそれぞれの理論を持っていますので、自分に適したものを見つけると良いですね。
以下でいくつか紹介します。
- 自分の秘密 才能を自分で見つける方
- ウェルスダイナミクス
- ストレングス・ファインダー →関連書籍「 さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす」
5-2-5:USPとしてメッセージにまとめる
ここまでターゲットや競合、特化するポイントを考えてきました。
それらをメッセージにまとめてみましょう。
私がおすすめするのは以下の4つの質問に答える形にまとめることです。
- あなたは誰でどのような仕事をしているのか?(何の専門家なのか?)
- 誰のどのような問題を解決するのか?
- 他とはどう違うのか?
- なぜ、あなたの事を気にかける必要があるのか(なぜ、あなたの言うことを聞く必要があるのか?)
これは、『スティーブ・ジョブズ脅威のプレゼン』という書籍にある究極のエレベータピッチというアイデアを基に改変したものです。
この切り口で250字程度にまとめると、30秒ぐらいで説明することが出来ます。
これがパーソナルブランディングの基本メッセージになります。
30秒で顧客を引きつける事ができるようにブラッシュアップを繰り返します。
5-3:ブランド伝達
次のステップは、構築したパーソナルブランドを今度は、他の人に効果的に伝えるフェーズです。
ここでは、どのようなツール・メディアを使ってパーソナルブランディングを広めていくかについてアイデアをまとめます。
パーソナルブランディングの伝達経路(メディア・ツール)は大きくわけてオープン型とクローズ型の二種類がある。
5-3-1:オープン型メディア・ツール
オープン型とは、その名の通りで一般公開されているメディアやツールを使ったパーソナルブランドの伝達方法の事を言います。
具体的には、
- HP
- ブログ
- プレスリリース
- メルマガ
- ニュースレター
- パンフレット
- ソーシャルメディア
このような一般公開されているメディアやツールを使ったパーソナルブランドの伝達方法です。
人によってはパンフレットやニュースレターは、クローズ型としても考えられるかもしれません。
これらのメディアやツールのうちあなたのビジネスに適していて効果的なもの予算的に可能なものから手をつけていくことになります。
HPやブログを解説して、facebookなどのソーシャルメディアを用意するのが一般的ですね。
可能であれば、メルマガも用意して、見込み客と深いコミュニケーションができる環境を用意する事も検討します。
5-3-2:クローズ型メディア・ツール
クローズ型とは、一般公開されているメディアやツールではなく、限定された閉じられた場所や機会に活用するメディアやツールです。
具体的には、
- 名刺
- パンフレット
- ダイレクトメール
- 電話
- セミナー
- 交流会等のイベント
- 紹介(パートナー、顧客、業界団体など)
このような場所やツールを使ってあなたのパーソナルブランドを認識して興味を持ってもらう事を考えます。クローズ型のメリットは、より深いコミュニケーションが可能なので、あなたのパーソナルブランドを強烈に伝えやすいということが挙げられます。
6:おまけ
以上で、パーソナルブランディングを簡単にまとめました。
最後に、さらにおまけ情報としてさらに研究したい方のための情報を共有します。
6-1:パーソナルブランディング関連の書籍
以前書いた「個人ブランディング、セルフブランディングでライバルを圧倒するために最初にするべきこと。」でいくつか個人ブランディングやブランディングの参考書籍を紹介しているので参考にして下さい。
上記の記事で記載していない書籍として幾つか紹介します。
マーケティングは「嘘」を語れ!
6-2:素早くNo1のパーソナルブランディングを獲得する
素早くNo1になるための簡単な方法は「No1ブランドの人に紹介・応援してもらう」ことです。
自分で売り込むよりも権威のある人に紹介してもらうというのがパーソナルブランドを高める上で一番効果的ですからね。
とはいえ、簡単に業界トップの人に紹介してもらうことは出来ません。
ですから、「どうすれば紹介・応援してもらう状態になるか?」を考えることが重要です。
まずは、「どうすれば、トップの人に近づけるか?」を考えて可能な方法をリストアップします。
最初から直接知り合いになることは出来なくても、間接的に色々なルートを経由して到達できる方法がないかを考えます。
その人のセミナーに参加したり、近しい人のセミナーに参加したりすることから始まるかもしれません。
近づく事ができたら、トップの人が抱えている問題を知ることに努めます。
小さなことでも困っていることを見つけ、少しでも役に立つ存在であることを認めてもらいます。
このような事を繰り返すことで、トップの人に応援してもらったり、紹介してもらう状態を作っていきます。
6-3:日本一になる方法を真剣に考える
パーソナルブランディングをビジネスに最大限結びつけるには「No1」になることです。
業界1位、地域1位、などまずはNo1になることを考えます。
得意分野やスキルを磨くことはもちろんですが、No1になりやすい方法も考えます。
No1になれる切り口を真剣に考えて、そのテーマで第一人者、日本一になることを真剣に考えます。私もそうなのですが、No1になることが重要だということは頭では分かっていても真剣に考えていないことがあります。「ベスト」ではなく「ベター」を考えてしまいます。
他の人と同じ方向性、同じような仕事内容で勝負して「より経験を積み、スキルを磨いて」ステップアップする事に注力し過ぎると労力の割にはなかなか上のステージに立てないことがあります。
6-3-1:バカリズムのNo1戦略
バカリズムというお笑い芸人をご存知でしょうか?
彼は芸人としては珍しくお笑い養成所出身ではなく、日本映画学校出身です。
俳優を考えていたかというと、最初からお笑い芸人を目指していました。
では、なぜ彼が映画学校に入ったのか?
理由はいくつかあるのですが、その中でも非常に興味深い理由があります。
それは、「映画学校で本気のネタを作って発表すれば目立つ」という狙いです。
映画学校にも授業として「お笑い」があるらしいのですが、俳優志望の人は授業としてやらされているという程度のネタばかりで面白く無いわけです。そんな中に本気でお笑いを目指している人が本気のネタを作って発表したら目立ってしょうがない。という計算があったそうです。
実際に、授業の一環で行った漫才を披露した際に、授業を見に来ていたマセキ芸能社のスタッフにスカウトされて、お笑いの世界に入ったそうなので、作戦成功です。
目立つ場所に立ち、本気で力を磨けば大きな成果を上げやすいわけですね。
7:まとめ
いかがだったでしょうか?
パーソナルブランディングの概要を理解できたでしょうか?
今回説明したものを必ずしもその順番通りに行う必要はありません。
行ったり来たりしても私は問題無いと思っています。
パーソナルブランディングは
- 現状認識
- ブランド構築
- ブランド伝達
という3つのフェーズがありますが、「ブランド構築」が何よりも重要です。
その中でも重要なのは「特化」「差別化」ポイントを作ることです。
お客さんに選ばれる理由を作ることで選ばえるパーソナルブランドを作ることが出来ます。
今回お伝えした基本ポイントを把握した上で、色々なテクニックを学ぶとさらに効果的になると思います。
例えば、「名刺」についてさらに深いノウハウやスキルを学ぶとしましょう。
「仕事を取る名刺の作り方」について学んだとします。
その場合、「仕事を取る名刺の作り方」のノウハウを単発で実行するよりも、パーソナルブランディングの全体像も意識した上でその一つのツールとしてとりいれることでより効果的になります。
この簡易マニュアルがお役に立てれば嬉しいです。