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SEOに強いコンテンツを作る方法「コンテンツ・キューレーション」とは?
ペンギンアップデートやウェブマスターツールへの警告頻出を機に、自作自演のバックリンク構築ではなく、良質なコンテンツ制作によるアクセスアップを図る流れがより明確になっています。
検索で上位表示させるには、最新の情報や特定のテーマに関する情報を、高い更新頻度で記事としてアップデートしていく必要があります。
とはいえ、「質の高い記事」を簡単に作るのは難しいというのが多くの方が抱える課題です。
そこで、アマゾンやMicrosoftなどの大企業のサポートもしている起業家でありSEOコンサルタントでもあるNeil Patel氏の記事「How Content Curation Can Improve Your Search Rankings」に参考になる情報が載せられていたので簡単にご紹介します。
(この記事は普段お願いしている翻訳先にお願いせず、自分で読んだ記事なので、もしかしたら解釈間違えがあるかも。)
お金も手間もなるべく省いて質の高いコンテンツを作りたい!
質の高い記事をたくさん作る方法には、質の高いライターを雇って記事をどんどん作成するという方法があります。
実際、アメリカン・エキスプレスは自社のサイトにアクセスを集めるためのコンテンツ・マーケティング戦略として沢山のライターを雇ってコンテンツを制作していたことがあったようです。
ただ、ライターを雇う方法は、とにかくコストがかかります。
「もっと、簡単な方法はないのか?」という事で今回はコンテンツ・キュレーションという方法をご紹介します。
このコンテンツ・キュレーションという方法を活用すると、かなり時間を短縮して質の高い記事を作れるようになります。
そもそも、コンテンツ・キュレーションとは?
まず、コンテンツ・キュレーションという言葉に、あまり馴染みが無い方が多いでしょう。
コンテンツ・キュレーションという言葉を私の解釈で説明すると以下のようになります。
こう考えるとそこまで目新しい手法でもないですね。
様々な場所から情報を集め、整理して、更に編集することによって、価値のあるコンテンツを作る方法です。
場合によっては、オリジナルコンテンツを作ることなく、「整理」するだけでも価値を生み出すことが出来ます。
例えば、Yahoo!トピックスなどの、ニュースアグリゲーターと言われるサービスでは、参加している新聞社・通信社・出版社から配信されてきた記事と他社サイトのリンク表示によって、コンテンツとして新しい価値を提示しています。
【注】Yahoo!トピックスは、他社コンテンツと情報源としての他社サイトのリンク集だけでコンテンツを作っている。
または、日本では、NAVERまとめというキュレーションサービスがありますが、NAVERまとめを使ってユーザーが作るまとめ記事は、ネット上の様々な記事を拾ってきて引用するという形で作られています。
ここまでで、コンテンツ・キューレーションがどのようなものか少し見えてきたかと思います。
この記事ではさらに、
- コンテンツ・キューレーションの手法
- コンテンツ・キューレーションのメリット
- コンテンツ・キューレーションを行う上で便利なツールやサービス
をご紹介します。
コンテンツ・キュレーションの4つの方法ご紹介
手法1:要点を抜き出す
ネット上で様々な情報が飛び交っていて、あやふやな点が多いテーマについて、物事の本質や要点を明確にするためのコンテンツを作ることが出来ます。
「ペンギンアップデート」を例にして考えてみましょう。
ペンギンアップデートは、Googleが2012年の4月に導入したスパム対策の新アルゴリズムです。
SEO対策を実施している多くのサイトが検索結果の順位を大きく落とすという事態になり、ペンギンアップデート導入直後は様々な噂や情報が散乱しており、正確な情報を欲している人が多くいるという状態でした。
ですから、多くの人が正確な情報を知りたいと思っていました。
その点で、海外SEOブログの鈴木氏の「ペンギン・アップデートを導入したんだけど質問ある?」やパシのSEOブログ「ペンギンアップデートと不正リンク警告でSEOに大きな変化が?」などは、はこの種のコンテンツ・コンキュレーションの良い例です。
情報を集め、要点を抜き出し、特に信頼できる情報源を明示することで、読み手にとって非常に有益なコンテンツを作ることができます。
手法2:マッシュアップする
マッシュアップとは、もともとは音楽用語で複数の音源を組み合わせて新しい音源を作り出すことをいいます。
これをコンテンツに当てはめて、複数の情報源やコンテンツを組み合わせ新しいコンテンツを作りだすことをコンテンツ・キューレーションにおけるマッシュアップといいます。
マッシュアップによるアウトプットとしては、
- WEBサービスやアプリケーション
- インフォグラフィック
- インタビューのまとめ
などがあります。
インフォグラフィック
インフォグラフィックの例としては、法人格「ライブドア」変遷を1枚の画像にまとめてみたが挙げられます。
複数の情報源から情報を収集し、わかりやすい図にまとめ(マッシュアップ)ています。
図や絵を取り入れることで、「インフォグラフィック(情報、データ、知識を視覚的に表現したもの)」になっています。
インフォグラフィックは、様々な人から参照される良質なコンテンツとして最近注目されているコンテンツ形式です。
長ったらしい文章よりも、人目でわかる図やイラストになっているとそれだけで、何度も参照されるコンテンツになります。
インタビューのまとめ
これは、特定のテーマに関して複数の人にインタビューをした内容をまとめて一つのコンテンツに仕上げるという方法です。
海外サイトですが、30人のSEO専門家に質問した回答をまとめた記事「30 SEO Experts Share the Most Compelling Content that Influenced Their Worksなどが挙げられます。(日本語のサイトで同様の記事をぱっと見つけられなかったので申し訳ないです。)
手法3:年表
コンテンツ・キューレーションの3つめの手法は商品・サービスなどの歴史や変遷を年表形式にまとめる方法です。
例えば、アップル社に起きた出来事を年表形式にまとめたものがあります。
Appleの革新的な歴史を年表のようにまとめた
さらには、前述の『法人格「ライブドア」変遷を1枚の画像にまとめてみた』も年表形式ですね。
手法4:理解を深める
自分が日々扱っていて、調査しているテーマの中から情報をまとめて、読者に新しい洞察や理解を深めるようなコンテンツを作ります。
これは、コンテンツ・キューレーションの中でも、一番独自性が高い方法です。
自分の専門分野における見解や主張を証明するために、様々なデータや証拠になる情報をまとめあげて、読者により深い理解を与えることが出来ます。
例えば、常日頃ブログで「質の高い記事を書けばアクセスが上がります。」という主張をしていたとした場合に、質の高い記事がアクセスアップにつながったことを証明する実験データや自社・他社の事例をたくさん集めて、一つのコンテンツにまとめ上げることで、読者により深い理解を与えることができます。
ここまでで、コンテンツ・キューレーションの手法をいくつか考えることが出来ました。
次は、コンテンツ・キューレーションを行うことのメリットを考えてみましょう。
コンテンツ・キュレーションの6つのメリットとは?
- すばらしいコンテンツを発見することができる
特定のトピックに関する情報を収集する過程で、素晴らしいコンテンツを見つけることがよくあります。コンテンツ・キューレーションをやればやるほど、あなたが扱っているテーマやトピックに関する素晴らしいコンテンツを見つけやすくなります。情報収集する過程で、別の記事で使えそうなリソースに出会うこともあります。 - バックリンクを構築できる
あなたがキューレーションした記事を作る際、情報源のデータやコンテンツをもっているサイトへリンクを張っています。このリンクは、ソース元のサイト管理者に対して、記事の存在を教えると共に、あなたのコンテンツに対して注意を引くことになります。もしかしたら、バックリンクを返してくれるかも知れませんし、TwitterやFacebook、Google+などで共有してくれるかもしれません。これは、質の高いバックリンクを得るためのとても素晴らしい方法です。さらには、あなたのサイトを閲覧したユーザーが自分のブログやソーシャル上であなたのコンテンツにリンクするかもしれません。(そのためには、キューレーションしたコンテンツが役に立ったり、面白いコンテンツである必要がありますね。) - ソーシャルシグナルを獲得できる
ソーシャルシグナルとは、そのサイトがどれだけユーザーに共有され、関心を集めているかを検索エンジンが判断するための指標のことです。Googleはソーシャルシグナルを検索エンジンの評価に採用しているので、SEO上重要な要素です。ですから、TwitterやFacebookで共有されるようなコンテンツを作ることで、ソーシャルシグナルが上昇し、検索エンジンの上位表示に良い影響を与えます。 - メインキーワードの最適化に適している
コンテンツ・キューレーションを始めるときは、まずは自身のサイトのメインキーワードから始めることが多いでしょう。メインキーワードで作ったコンテンツが参照され、共有されることであなたのサイトがメインキーワードで上位に表示されるようになります。 - ロングテールキーワードの最適化
コンテンツ・キュレーションによるコンテンツ制作を行うと、自然とロングテールキーワードを扱うことが多くなり、ロングテールキーワードからのアクセス流入も増加します。特定のテーマについて情報収集する過程で様々なトピックを知ることになります。それら新たに発見したトピックをコンテンツに加えていくことで、ロングテールキーワードで最適化されたサイトに仕上がっていきます。 - 更新頻度を高めることが出来る
記事を更新する上で多くの人が抱える課題は「何を書けば良いかわからないからなかなか更新できない。」というものです。コンテンツ・キュレーションであれば、全てを0から作り上げる必要がないので、短期間で質の高い記事を作ることが出来ます。オリジナルコンテンツとキューレーションコンテンツをうまく組み合わせて更新頻度を高めることが出来ます。
次は、コンテンツ・キューレーションを行ううえで役に立つツールやサービスをご紹介します。
コンテンツキュレーションを支援するサービス・ツール紹介
いくら、コンテンツ・キューレーションが短時間で高品質なコンテンツをつくり上げることが出来るといっても、情報収集は時間がかかる作業です。
いかに、役に立つ良い情報をたくさん集めることができるか?
それらを効率よく管理できるか?
というのがコンテンツ・キューレーションを行う上で重要なポイントです。
ここでは、コンテンツ・キューレーションを行ううえで役に立つツールやウェブサービスをご紹介します。
スクリーンショットツール
PCの画面を画像で保存するためのツールです。情報源としてサイトの画面データやイメージ画像が必要なときには、スクリーンショットツールがあると便利です。
必要な部分の画面だけ切り取れば、ユーザーにとってはわかりやすいですし、注釈が書いてあれば、さらに理解しやすいコンテンツになります。
私が使っているツールは、WinShotやGoogle Chromeの拡張機能であるQuick Markupです。(Quick MarkupのFirefox版なこちら)
Quick Markupは、スクリーンショットをとるだけでなく、その場で注釈を加えて保存することが出来ます。
画像編集ソフト
私が使っている画像編集ソフトは、Photoshopです。
最近は、Adobe製品群を月額5000円で使えるAdobe Creative Cloudというサービスがあるので、Adobe製品を色々と使ってみたいという人には非常にお得なサービスです。
ただ、記事を作るための簡単な画像編集であれば、無料ソフトで十分です。
GIMPなどでも十分でしょう。(ただ、個人的には、GIMPは使っていません。)
画像の管理や編集だけでなく、共有などクラウド環境も活用できるので、私はPicasaを使っています。
また、ウェブ上で高機能な画像編集が出来るサービスとしてPixlr.comやGoogle+の機能として「クリエイティブキット」という高機能な編集ツールがあります。
個人的には、Google+やPicasaウェブアルバムでクラウド上で画像管理したうえで、その場で画像編集もでき、とても便利なのでGoogleの画像編集ツールを使います。
RSSツール
特定のトピックで最新のニュースや良質なコンテンツを配信しているサイトやブログをRSSで購読すると情報収集が非常に効率的になります。
とはいえ、無機質なRSSリーダーではあまり画像を見る気がしないので、情報収集もおろそかになりがちです。
私がおすすめするのは、feedlyです。
どのような点が素晴らしいかは、美しいだけではないフィードリーダー:「Feedly」を参考にして下さい。
その他
情報収集が便利になるツールやサービスは探せば他にも色々とあります。
キューレーションサービスをまとめた記事があったので、以下の記事に挙げられているサービスを色々とためしてみるといいですね。
最後に
検索エンジンが日々進化していて、検索結果の上位を狙うのがますます難しくなってきています。
自作自演のリンク構築ではなく、コンテンツを重視したナチュラルなリンクを獲得したSEOが重要になってきます。
その点、コンテンツ・キューレーションは、コンテンツ重視のマーケティングを行う上で、是非とも身に着けておきたいスキルです。
たしかに、コンテンツ・キューレーションによって、質の高いコンテンツをつくり上げるには、練習や経験、慣れが必要かもしれませんが、質の高いコンテンツをつくり上げることが出来るようになれば、
多くの人がリンクを張ってくれ、ソーシャルで共有してくれるようになり、検索順位も上位に表示されるようになるでしょう。
まずは、コンテンツ・キューレーションをするための環境を整えましょう。
そして、まずは1記事作ってみてください。
実際に、作ってみて手間取った部分やうまく言った方法があったら是非とも教えて下さい。
良い情報があれば、あなたのコンテンツを参照して新しいキュレーションコンテンツを作ってみたいと考えています。
他にも、こんなツールやウェブサービスが使えるよ!というのがあれば教えてくれれば嬉しいです。